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「ファウスト」「若きウェルテルの悩み」「イタリア紀行」「詩と真実」などで知られるドイツの詩人ゲーテの言葉から、自分に役立ちそうなものを抜粋しております。気になった言葉や詳しい背景はご自身でお調べになることをおすすめします。

2025

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2016

1020
『詩はね、おなじ言葉というものでできている以上、また言葉を一つ付け足せば、他の言葉が死んでしまうのだ』――ゲーテとの対話(上)より。

 これはゲーテの芸術的だが難解な詩に対して、エッカーマンが「書いた動機や注釈を入れて世間の人にもわかりやすくすればどうか」と提案したのに詩人が返した言葉である。それな、としか言いようがない。一つ言葉を入れ替えただけでも芋づる式の修正が始まるのは何故なのだろう。やはり文章というものが――特に詩という代物は――リズムと切っても切り離せない仲だからだろうか。
 プロの脚本家は全ての台詞をきっちり音読するという。映像化を意識した作家・漫画家も登場人物の台詞は声に出しやすいかどうか検討するそうだ。詩ではなくても音読してみるというのは結構大事なことかもしれない。

 ところでこの日のゲーテは風邪を引いていた。もう随分な高齢だし、咳き込むときに心臓を押さえるような仕草を見せるのでエッカーマンは詩など半分そっちのけで心配している。「ゲーテとの対話」には随所にこういった人間的な交わりが散りばめられており、心温まるのが良い。






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