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「ファウスト」「若きウェルテルの悩み」「イタリア紀行」「詩と真実」などで知られるドイツの詩人ゲーテの言葉から、自分に役立ちそうなものを抜粋しております。気になった言葉や詳しい背景はご自身でお調べになることをおすすめします。

2025

0202
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2016

1012
『静かに仕事を続けていてください。結局そこから、世界の展望も、経験も、最も確実にまた純粋に生まれてくるのです』――ゲーテとの対話(上)より。

 ゲーテが最初にエッカーマンに依頼した仕事は、ゲーテが若い頃「フランクフルト学芸新聞」に載せた小評論を編纂し、目次を作るというものだった。この仕事によってゲーテはエッカーマンが己の望む助手になり得るか否かを判断しようとしたのである。そんなこととは露知らず、エッカーマンはひたむきに巨匠の依頼に取り組んだ。そして彼はゲーテが死ぬまで、否、ゲーテの死後も詩人の膝元に繋ぎとめられることになる。

 ところでこの言葉の「仕事」というのは「創作活動」と言い換えることができると思う。頭の中で壮大な世界をこねくり回しているのは楽しいが、それだけでは活動とは言えない。またアウトプットを通して初めて見えてくる、己に不足している知識、技術、経験などもあるだろう。書き出すことで次に進むべき道も自然と見えてくるわけである。
 最初から完全なものを作ろうとしても不可能だ。常に実力の100%を発揮できるとも限らない。私個人の実感としては、コンスタントに70%の力を発揮できていればかなり上々だと思う。そういう積み重ねの中で、少しずつ100%に近づいていけたらいい。一足飛びに進んでいけない凡人は、気長に地道にやっていくのが最善だろう――というのが今のところの私の考えである。








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2016

1011

『一事を明確に処理できる人は、他の多くのことでも役に立つ』――ゲーテとの対話(上)より

 「ゲーテとの対話」は晩年のゲーテの友人、エッカーマンが記した詩人との対話記録である。ゲーテの作品ではないが、ゲーテの考えや人柄などを最も忠実に伝えているとされている。その内容は「神は死んだ!」でお馴染みの哲学者ニーチェが「ドイツのあらゆる書物の中で最良の書」と評したほど。
 この本の中でゲーテは、己の作品は大衆のためではなく、芸術や創作に携わる人たちのためにあると明言している。

 なおこの言葉はエッカーマンとゲーテが出会った最初の日に交わされた会話の一部である。エッカーマンは年老いた王者を思わせるゲーテの「平静な偉大さ」に胸打たれ、すぐさまメロメロ状態になってしまうのが微笑ましい。
 このときエッカーマン31歳、ゲーテ74歳。老ゲーテはこれまでの著作をまとめた全集の発行のため、助手となってくれる人材を探していたのだった。








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